蒼風閑語

ll_bluewind_llのひねもすのたりのたり

読書のエッセンス

カレンダーによると、明日10月27日(土)から「読書週間」が始まる様です。

『国語大辞典 第二版』(学習研究社)の【読書週間】の項には“読書の普及と出版文化の向上を目指して行われる運動の期間。秋季二週間にわたる”とあります。恥ずかしながら、実施期間が二週間に定められていたとは寡聞にして初耳でした。

なるほどねぇと一人ごちつつ周辺の見出し語にチラチラ目を遣っている内に、ある辞書の【読書】の語釈が「ものすごく」秀逸だったのを思い出しました。辞書好き・コトバ好きの間では既に有名過ぎる位のネタですが、こんなのです。

【どくしょ】 読書

(研究調査や受験勉強の時などと違って)一時(イットキ)現実の世界を離れ、精神を未知の世界に遊ばせたり人生観を確固不動のものたらしめたりするために、(時間の束縛を受けること無く)本を読むこと。(寝ころがって漫画本を見たり電車の中で週刊誌を読んだりすることは、勝義の読書には含まれない)

三省堂新明解国語辞典 第五版』より抜粋)

ちなみに「勝義」については同辞書に“(転義やひゆ的用法でなく)その言葉の持つ、本質的な意味・用法”とありますので、どうやらゴロ寝や移動中のヒマ潰しに漫画や雑誌の類いに目を通す行為は「本質的な読書とは言えない」という事になりそう。

それにしてもこんなキビシイ語釈を目にすると、気軽に「趣味は読書」などと口にするのは憚られる心持ちになりますねぇ。