蒼風閑語

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文月の朔日

先週末に古書店で見つけて買い求めた岡崎武志氏2003年の作品集、『古本極楽ガイド』(ちくま文庫)を読了しました。

6月の最後の夜に読み終えたのが吉田秀和氏のクラシック音楽に関する本で、7月に入って最初に読み終えたのが岡崎氏の古書と古書店についての本。

・・・何だか自らの嗜好や欲望にあまりにも忠実というのか、これだと「そりゃ面白くて当然だろ?」と自分にツッコミを入れたくなる様なセレクトです。

まぁそれは脇に置いておくとして話を戻すと、『古本でお散歩』に続く岡崎氏のちくま文庫からの第2弾となった本書の白眉は、何と言っても第三章の「古本屋さんになった」ではないでしょうか。

月の輪書林」「古書日月堂」「三茶書房」「なないろ文庫ふしぎ堂」「石神井書林」という錚々たるお店のオーナー達に、自らが古書店主となった経緯について語って頂くという何ともゼイタクな趣向。

それぞれに「古書」と古書店という「仕事」についての想いは異なっているのですけれども、自ら選び取った職業に対する抑えようにも抑え切れない「熱」みたいなものは、共通しているのだと思います。

古書好き・古書店好きには堪えられないトピックが満載された、とても面白い一冊で始まる「文月の朔日」となりました。

古本極楽ガイド (ちくま文庫)

古本極楽ガイド (ちくま文庫)