蒼風閑語

ll_bluewind_llのひねもすのたりのたり

夏の日の出逢い

昨日は一日中大変な湿度の高さで、部屋の中でも表を歩いていてもまるでサウナの中にいる様でしたが、今日は比較的乾いた空気で少しばかり息がつける感じでした。

時折吹く北よりの風が仄(ほの)かな涼感を運んで来る様で、日中はベランダに布団を出したり洗濯機を回したり。そして夕方には団扇を使いながら近所の商店街をブラブラ。

ときどき覗く、駅前にある小さな古書店の前を通り掛かると、店頭の均一棚の中に白っぽい背表紙を見せて全集本が並んでいます。

どれどれと近付いてみれば、かつて岩波書店から出ていた『野上彌生子全集』の端本が十数冊ほど。中を検めるとどの巻もほぼ新品同様のコンディションのうえ、値段といえば文庫本より遥かに安い「100円均一」。

いつかは味わっておかねばと思っていた作家でもあり、有名な短編『海神丸』を含む第四巻と、代表作である『秀吉と利休』を収めた第十三巻。そして優れた海外紀行文として世評の高い『欧米の旅』を収録した第十六巻と十七巻、という4冊を買い求めておく事にしました。

・・・さて、帰宅してから早速『秀吉と利休』に目を通し始めているのですが、どうやらこれは少しばかり“腰を据えて”取り掛からねばならない、恐ろしく読み応えのある作品の様です。

久しぶりに、辞書と首っ引きで取り組むべき一冊と出逢いました。