蒼風閑語

ll_bluewind_llのひねもすのたりのたり

団栗と満月

文化の日」であり、また満月が観られる日でもあった今日、東京地方は好天ながら冷たい風の吹く“寒い休日”となりました。

それでも昨日の秋の嵐で浮遊物がすっかり除去された空気は、文字通り“澄み渡る”秋の青空を演出している様です。

さぁ、こんな素敵な日には一体何をして過ごしましょうか・・・と午前中の内にあれこれと考えて、紅葉の具合を偵察しがてら菊花展でも覗いて来ましょうと、池上本門寺を訪ねる事にしました。

予想通りと言うべきか、イチョウもカエデも枝に付いているものはまだほとんどが青々とした状態で、見頃までにはまだ2~3週間はかかるかな・・・といった感じ。

その代わりにと言っては何なのですけれども、十月桜は今を盛りと白い花びらを可憐に開いていましたし、もうすぐ黄色くなりそうな柚子の実は、未だ緑の色濃い我が身をいささか持て余して見える程“たわわに”実っていました。

菊花展をざっと見た後は、本堂で行われていた七五三の奉納式を眺めながら簡単にお参りを済ませて、運動がてら少しばかり裏山を散策する事に。

既にうっすらと地表を被(おお)い始めている枯葉をサクサク踏みしめながら歩いていると、あちこちに団栗(どんぐり)が「ゴロゴロ」しているのが目に付きます。

早速しゃがみこんで5つ6つと拾い上げ、掌の中で懇(ねんご)ろに擦り合わせる様にしていると、自らの油分でもって瞬(またた)く間にピカピカのツヤツヤに。

これも地面に落ちていたまだ青々としたイチョウの葉と併せて、何となく「戦利品」の気分で持ち帰ったのでした。

煌々と輝く満月を窓外に眺めながらデスクに燈(とも)された灯(あか)りの下、ランチョンマット代わりになったイチョウの上で、団栗達が心地良さ気に身を寄せ合っているところです。