蒼風閑語

ll_bluewind_llのひねもすのたりのたり

クラシックの街

抜ける様な青空の下絶好の滑り出しとなった三連休初日の今日、神保町ではなく多摩川の向こう側にある“新興クラシック・タウン”、川崎の街を訪ねました。

ここ数年の、特に川崎駅西口界隈の隆盛と変貌ぶりは凄まじいばかりで、ずらりと並んだ川沿いの瀟洒(しょうしゃ)なマンション群や各種文化施設は、街の風景を一変させてしまうに十分な力を持っていた様です。

よく整備の行き届いた街並みを眺めながらしばし散策した後、駅のコンコースを抜け地下街を通って東口へ。何がなしにホッとした気にさせる“昔ながらの川崎の繁華街”を歩いて、何度か行った事のある古書店を覗きます。

久しぶりに目にした書架は、心なしか“キレイ目のクラシック関連書籍”が多かった様な気も。カルロス・クライバーパブロ・カザルスアストル・ピアソラらの評伝に心を奪われながら品揃えを見ていると、ある所に目が留まりました。

面白いと世評は高いのに、何故か出版元を二転三転したあげく現在は品切れになっている、松山巌氏1993年の著作『うわさの遠近法』(青土社)です。

白いカヴァーは背が茶色く「ヤケ」ており上下には「ヨレ」も目立っていますが、本体の方はキレイで何の問題もありません。何より、文庫ではなく四六判の上製本で500円は安いです。

こうして、以前同氏の短編集『猫風船』(みすず書房)を読んだ折に「次に読むならコレだな」と考えていた一冊が、期せずして我が家へやって来る事になりました。

あれ・・・?神保町でなくても、ヤッパリ古書店には行ってますねぇ。

うわさの遠近法

うわさの遠近法

 
猫風船

猫風船