蒼風閑語

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「字典」の出番

しばらく前に古書店で端本を見つけて買い求めた、筑摩書房刊“近代日本思想大系”の第2巻『福沢諭吉集』というのを、時々開いてはつらつらと眺めています。

ただ“眺める”といってもそこは著名な思想書だけあって、辞書を開きながらの「解読」が不可欠なのですが、こと本書について言えば傍らに置いておくのは国語辞典より漢和字典の方が何かと便利。

今はちょうど「文明論之概略」に取り掛かっているところなのですが、文章自体は簡明でスピード感があってとても面白いのに、まぁそこで使われている漢字の難しいこと読み辛いことと言ったら・・・。

俄かにはワープロ変換も叶わない様な難読字の上、送り仮名も現代のものとは異なっているので、読み方に“おおよその見当”を付けておいて国語辞典を当たる、という方法が取りにくいのです。

いきおい漢字のヨミとイミを一つ一つ調べて行くという作業が中心になり、そうなると出番はほぼ漢和字典の「独壇場」という事に。

それにしても、我が家で漢和字典といえば『漢和大字典』(学習研究社)という「大物」しか無いので、本書については“ウチでしか読めない”のが少しばかり残念ではあります。

明日は神保町で“コンパクトな漢和字典”でも探してみる事にしましょうか。