英語とわたし
半月ばかり前に近所の古書店で買い求めていた、岩波新書編集部によるオムニバス『英語とわたし』(岩波新書)を読了しました。
合わせて23名の著名人によるショート・エッセイが掲載されていたのですが、読中読後に残る感触はそれぞれに異なっておりまさに23者23様といった趣きでした。
参考までに執筆陣のお名前を列挙してみると、筑紫哲也・有森裕子・鴻上尚史・佐渡裕・引田天功・幸田真音・河合隼雄・鷲津名都江・遠山顕・上野健爾・杉村隆・明石康・小森陽一・藤井省三・清水真砂子・吉田ルイ子・船橋洋一・米沢富美子・貫戸朋子・伊藤比呂美・姜尚中・河野太郎・小林陽太郎、という面々。
基本的には公の場で英語を駆使したお仕事をなさっている(様に見える)方々による、「実はこう見えても結構苦労してるんですよ」という“打ち明け話”を集めたものなので、あまり出来の良くない英語脳に何とか活動してもらおうと四苦八苦している身としては励まされたり勇気付けられたりする言葉のオン・パレードでした。
でもアレコレ表現の仕方は違ってもこれら23名の方々にはほぼ共通している認識がひとつだけあって、それは“英語はあくまで「手段」であって決して「目的」ではない”というあまりにアタリマエな命題。
そう・・・結局のところ語学学習の方法に王道などありはしないし、四の五の言う前に“習うより慣れろ”で体に染み込ませて行くより他に手立ては無いのだという事を、改めて認識させて貰えた様な気がしているところです。
そういう意味ではこれから英語のレッスンを始めようと考えているビギナーよりも、むしろ中堅学習者が今後への指針として心に留めておくべき金言に溢れた一册なのかも知れません。