免疫学個人授業
先だっての「春分の日」に買い求めていた、多田富雄と南伸坊の両氏によるコラボレイト作品『免疫学個人授業』(新潮文庫)を読了しました。
その道の権威とも第一人者ともいうべき多田富雄氏による免疫学のレクチャーを、南伸坊氏が生徒役となって講義の内容を書き下ろしたり感想を書き述べたりする・・・といった趣向の一冊。
ふと「免疫って何?」という疑問が思い浮かんで、では何か入門書を・・・となった時に、最初にセレクトする一冊としてはほぼ理想的なスタイルと言えそうです。
内容についてはとにかく平易で明快の一言。免疫学というなかなか敷居の高そうな分野にも拘わらず、南氏の巧みな例えで難解な内容がとても親しみ易い形になって披露されています。
トピックによっては「もう少し説明して欲しいんだけどな~」というところもあるにはあるのですけれどもまぁそこはそれ。
個人的に説明不足と思われた部分については、久しぶりに『ケイン生物学』(東京化学同人)を引っ張り出して該当箇所を適宜参照する事で、かなりの知的補足を受けられた様な気がしています。
それにしても人間が本来的に持っている「免疫システム」というもの、改めて学んでみるとどうやら相当に難しく、それだけに面白くて興味深いテーマの様です。
ここは出来れば更に何冊か一般向けの易しい解説書を愉しんでみたいところ。またぞろ新しい世界への扉が少~し開きかけている・・・といったところでしょうか。