自選 谷川俊太郎詩集
今日立ち寄った書店でふと手にしたやや厚目の文庫本。
先だって刊行されていた事はニュースとしては知っていましたけれども、手にとってページを繰ってみたのは今日が初めて。
1ページと5行ばかりの短い「まえがき」と、オープニング・ナンバーとしてのこの作品を読んだだけで、即座にレジに運ぶ事を決意していました。
手にしていたのは『自選 谷川俊太郎詩集』(岩波文庫)。最初に載っていた詩はこんなものでした。
「かなしみ」
“あの青い空の波の音が聞こえるあたりに
何かとんでもないおとし物を
僕はしてきてしまったらしい”
“透明な過去の駅で
遺失物係の前に立ったら
僕は余計に悲しくなってしまった”
(詩集『二十億光年の孤独』より)
・・・抽象的な内容なのに何故だか読むとたちまち情景が目に浮かぶ、何とも不思議な作品。
書架に仕舞わずしばらく手許に置いて、この本と仲良くなれるか試してみようと思っているところです。