蒼風閑語

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もっと知りたい、地球のこと

千代田区大手町の日経ホールで開催された『ナショナル・ジオグラフィック』創刊125周年記念イベント「「もっと知りたい、地球のこと」に出席して来ました。

この手の催しとしてはかなり「長尺」の内に入るであろう2時間45分というボリュームでしたが、まずは日経ナショナル・ジオグラフィック代表取締役社長の伊藤達生氏による挨拶と同誌英語版の編集長で写真家でもあるクリス・ジョンズ氏からのヴィデオ・メッセージ。

そして本編の第1部がフォト・ジャーナリスト林典子さんとナショナル・ジオグラフィック誌日本版編集長の大塚茂雄氏による対談形式のトークショー「私が世界で見つめた現実」。

同誌2013年7月号に掲載されていた記事「キルギス 誘拐婚の現実」のショッキングな内容がまだ記憶に新しいのですが、登壇なさった林さんは何とも可憐で優しい雰囲気を持った可愛らしい女性。かなりシビアな現実を切り取ったハードな写真と文章が身上だけにそのギャップが新鮮です。

しかし次々とスライドで映し出される写真は、何れも見る者の心に深い印象を残すパワーを備えた強力なもの。一見悲惨な状況を切り取っている様に見えても、そこには「人」のぬくもりが確かに感じられます。いい作品ばかりでした。

そして本編の第2部はパラグライダーによる空撮写真家として有名なジョージ・スタインメッツ氏による講演「鳥になって知らない地球に出会う」です。

ナショナル・ジオグラフィック誌に写真を寄せる世界の一流カメラマンの中にあっても、個性的な美しい写真で常に特別な地位を占めているスタインメッツ氏は、私にとっても「マイ・ヒーロー」の筆頭に数えたいお一人です。

とにかく「地球というものが本来的に持っている美しい形」を、これほど鮮やかに観せて下さる写真家は実際そう多くはありません。

もちろん写真の「色目」もハッとする位に美しいのですが、何よりも彼が捉える事象の「かたち」が本当に美しいのです。

スライドで映し出される数え切れない程大量の画像と実に魅力的な話しぶりに圧倒される思いで、ふと気が付けばいつの間にか最後の質疑応答の時間になっていた感じでした。

ナショナル・ジオグラフィック』誌が予めウェブ・サイト上に用意して下さっていた両氏のフォト・ギャラリー付プロフィールをリンクしておきます。素晴らしいので是非とも御覧になってみて下さいませ。

・ 林典子さん

   http://nationalgeographic.jp/nng/article/20120820/320106/?img=ph_01.jpg

・ ジョージ・スタインメッツ氏

   http://nationalgeographic.jp/nng/article/20120110/295717/