第15回南極歴史講話会
日本大学理工学部1号館で開催された「第15回南極歴史講話会」に参加して来ました。
今回は昨年9月の第14回からおよそ半年ぶりの事だったので、大いに楽しみにして会場へ足を運びます。
さて、今回は演題が2つ用意されており、その内訳は
Ⅰ:セールロンダーネ山地の地理・地形と調査史
講師 岩田修二(26次夏、32次夏、地形調査担当)
Ⅱ:リュツォ・ホルム湾氷海の脅威
講師 茂原清二(40, 41次「しらせ」艦長)
という南極の「陸地と海」にスポットを当てた興味深いものでした。
まず岩田氏による講演は、「国土地理院印刷の1:50000地形図のインデックス」と「セール・ロンダーネ山地 探検・調査史」のペーパー資料と沢山のスライドを駆使したアカデミックに完成されたプレゼン形式。
講義を拝聴しながらペーパー資料にメモを取っていたら、いつの間にか余白の部分が書き込みで真っ黒になっていました。恐らく難しい専門用語は最小限度に抑えて下さっていると思うのですけれども、それでも聞き慣れない単語が続出です。
それでもスライドの図版と美しい画像に助けられ、興味深く得難いレクチャーを最後まで堪能する事が出来ました。
続く茂原氏の講演は一転して動画を多用し、ヴィジュアライズされたカジュアルな感覚に満ちたものです。動画に合わせて繰り出される茂原氏のトークも訥々としていながらユーモアに満ちており、会場から笑いを誘う場面もしばしば。
巧みな話術に引き込まれる内に、知らず知らず航海における「予測のつかない困難さ」に思いが至るという、実に見事に仕組まれた講演だったと思います。
・・・それにしても、こんなにも貴重なお話を誰もが無料で聴講出来るとは、何とも有難くまた本当に素晴らしい事ですよねぇ。