蒼風閑語

ll_bluewind_llのひねもすのたりのたり

再会

昨日は午後、しかも夕方近い時刻になってから神保町をブラブラしていました。

それにしても・・・と言葉を改めたくなる位に冷たいビル風が吹いていたので、久しぶりにカバンの中に入れておいたマフラーのお世話になる事に。

襟元を強化したお陰で体幹部の寒さは防ぐことが出来たのですが、まぁ無防備なままの手元の冷たいこと冷たいこと。手袋を持って来なかった事がいっそ悔やまれる位です。

手を擦り合わせながら各店の品揃えを眺めていたところ、あるお店の均一台で思わず頬が綻んでしまいそうに懐かしい一冊を見付けました。

森田誠吾氏1985年の直木賞受賞作品『魚河岸ものがたり』(新潮社)の単行本です。後に文庫化されたものを貪る様にして読んだのはもう随分と昔のハナシ。懐かしさに思わず手に取ってみるとコンディションも悪くありません。

・・・という訳で、久々の再読用に持ち帰ってみる事にしました。初読時は意外な結末に虚を突かれた思いがして、逆にその点をこそ面白いと感じたりしたものでしたが、結末の判っている今回の再読では一体どんな感興があるでしょうか。

季節外れの寒さではありましたが、懐かしい一冊との再読の機会を与えて貰いました。未知の本に出逢うのもさる事ながら、こういった既読書との「再会」も、また得難く嬉しい出逢いのひとつなのです。

今夜は最初の50ページ程を読んだところ・・・あぁやっぱり面白い!

魚河岸ものがたり (新潮文庫)

魚河岸ものがたり (新潮文庫)