高円寺「円盤」にて

きのう（26日）高円寺「円盤」で行われたライヴに行ってきました。

テルミン＆ギターの菊池誠氏とテルミン奏者の児嶋佐織さんによるユニット andmo' と、コーラスを主体にしたサイケデリック風ポップ・バンド、ペガサスとのコラボレート・ギグ。

前半に演奏したペガサスは、女性ヴォーカルにアコースティック・ギターにエレクトリック・ギター、それにベースとドラムズという編成で織り成す見事なコーラス・ワークと、個性的な歌詞が醸し出す独自の世界観が魅力的でした。

よく磨き込まれたアンサンブルはタテの線がキレイに揃っている感じで、思わず「アインザッツ」などというコトバを思い出してしまった程。独特のポップ・センスと演奏力がかなり高い次元で融合している印象で、彼らの紡ぐ音世界にすっかり惹き込まれてしまった次第。

後半の andmo' も「個性的」という点では全く引けを取っていません。テルミンという楽器が単独で演奏される事自体が稀だと思うのですけれども、このユニットが聴かせて下さるのは何とツイン・テルミン。

全く無段階に音程が変わるテルミンの「完全なアナログ音」とフレットを持つギターの「不完全なデジタル音」が、時に調和し時に反目し合いながらインプロヴァイズして行く様は文字通り「プログレッシヴ」そのもの・・・といった趣きでした。

披露された「つぶつぶ〜プロムナード」「舟歌」「UMA1」「地下室の林檎」「B.Rex」「654ビエルゲー」というセット・リストは変拍子を基調に置いた複雑なものでありながら、2人が奏でるサウンドはもう圧倒的に「ロック」の語法を感じさせるもの。

菊池氏のギターは勿論の事ながら、児嶋さんの両手から生み出されるテルミンのフレーズにもステージの空気を一変させる位に破壊的な攻撃性があって、これは結構クセになるというか・・・かなり強力な中毒性があるんじゃないかという気がしています。

久しぶりに新しい、刺激的な音楽を心ゆくまで堪能した・・・そんな実感が残る良質なライヴではなかったかと思っているところです。

蒼風閑語