前奏曲と愛の死
ワーグナーの楽劇『トリスタンとイゾルデ』は、思い立って余程の決心でもしない限り全曲を「通し」で聴くのはなかなか大変です。
この大作を最初から最後まで聴き通すのは、まぁせいぜいが奮発して全曲版の CD なり DVD なりを新しく購入した時くらいのものでしょうか。何せ4時間タップリという長尺ですからそうそう気軽には愉しめません。
そこで普段『トリスタン』のエッセンスを味わいたい時にセレクトするのが、この長大なオペラの最初と最後の部分だけをちょん切って繋げた「前奏曲と愛の死」という20分程の管弦楽曲。
巷に数多(あまた)ある「ワーグナー作品集」的な前奏曲や間奏曲を集めたオムニバス盤にはハイライト的な位置付けで大抵収録されているのですが、じゃあどの演奏がイイの・・・となるとなかなか選ぶのが難しい。
現在我が家にあるのはトスカニーニ&NBC交響楽団やフルトヴェングラー&ベルリン・フィルから始まって、クレンペラー&フィルハーモニア管弦楽団やらショルティ&シカゴ交響楽団やらクーベリック&ベルリン・フィルやら・・・幾つか聴きましたけれど結局どれもイイのですよねぇ。
そんな中から今日はチェリビダッケ指揮ミュンヘン・フィルによる演奏を聴いてみました。これも新旧取り混ぜて様々な録音がありますが、私が普段愛聴しているのはドビュッシーの『海』がカップリングされている Meteor 盤です。
演奏に関するデータが記載されていませんが YouTube にもありましたので御紹介しておきましょう。とにかく素晴らしい演奏ですので。