蒼風閑語

ll_bluewind_llのひねもすのたりのたり

パソコンでKindle

Linux 環境になってから困っていたことの一つが、「適当な青空文庫リーダーがない」という問題でした。

以前より、明治から昭和初期にかけて発表された文学作品で「名作」と謳われているものが読みたくなった時は、青空文庫からダウンロードさせて貰う機会が多かったのです。

Windows を使っていた頃は、数あるリーダーやビューワーの中から好みのものを選びさえすれば良かったのですけれども、Linux だとそもそも対応するソフト自体が数える程しかありません。

しかもインストールの手順が煩雑だったり実際に使ってみるとレイアウトがイマイチだったりで、なかなか残念な状況が続いていたのでした。

ところがつい先日のこと、Amazon.co.jp から"Kindle for PC" という電子書籍をPC上で閲覧する為のフリー・ソフトが出ていて、青空文庫の収録作品から結構な数が無償で提供されているという情報を小耳にはさんだのです。

早速 Amazon で「無料電子書籍」の品揃えを眺めてみると、大量のコミックや啓発本の中に埋もれてしまいそうな風情ながら古典的文学作品もチラホラと。表紙の画像にはちゃんと「青空文庫」のクレジットも入っています。

何はともあれ試してみないと・・・とソフトをダウンロードし、Windows アプリを Linux 上で動かすためのソフト "Wine" も最新のヴァージョンにアップデイト。

コンテンツに定番の夏目漱石をセレクトして開いてみたところ・・・デフォルトだとフォント・サイズがやや大き過ぎる感じはありますけれども、クッキリとして読み易いキレイな明朝体です。

黒を基調としたシンプルな GUI デザインも嫌味がありません。もちろん収録作品の総数としては青空文庫本体には及ばないのでしょうけれども、次善の策として悪くない選択の様な気がします。

・・・という訳で、Kindle漱石の『三四郎』(青空文庫)を読み耽っている、ここ数日の夜なのでした。

三四郎

三四郎