蒼風閑語

ll_bluewind_llのひねもすのたりのたり

弥生の夜に

今日も例によって例の如く、神保町の古書店街を歩いていました。

とは言っても出て来る時間がずいぶん遅かったので、残念ながら古書店巡りはホンの小1時間ばかり。

それでも最後に立ち寄った1軒では、ホルヘ・ルイス・ボルヘス著/斎藤幸男氏の訳による『闇を讃えて』(水声社)という詩集が見付かりました。

今読んでいるボルヘスの『アトラス』という作品が写真付きの散文集というスタイルで、中には数篇の詩も収録されているのです。

それらはかなり抽象度も高いのですけれども何しろ言葉のインパクトが非常に強くて印象に残り易いので、ボルヘス作品への「とば口」として詩作から入るというのは一つの方策かも知れないな・・・と考えてのセレクション。

さて新しい本を鞄に収めたら、その足で久しぶりに中古盤屋さんまで足を延ばします。長らく覗いていなかったので棚模様が新鮮。品揃えの検分もついつい念入りになろうというものでしょうか。

ややユックリ目にフロアを一巡してから選んだのは、タワー・オブ・パワー1971年のライヴ・アルバム『ライヴ・アンド・イン・リヴィング・カラー』です。

数年前にリマスターされた再発カタログの中に入っていたので油断して後回しにしている内に、いつの間にやら終売の品切マークが付けられていたというよくあるお話。ここで偶然に出逢えたのはラッキーと言うべきでしょう。

鞄の中にボルヘスの詩集とタワー・オブ・パワーのライヴ盤を携えて、元気よく帰途に就いた「春は名のみ」の弥生の夜だったのでした。

闇を讃えて

闇を讃えて

 
ベスト・ライヴ

ベスト・ライヴ