蒼風閑語

ll_bluewind_llのひねもすのたりのたり

東京も開花宣言

つい先日今年の桜前線がスタートしたと思っていたら、今日は東京でもソメイヨシノ開花宣言が発表されました。

ようやく春も本番なのだなぁと思い、今年はどこの桜を写真に収めようかと考え、見頃はいつかしらん・・・とソワソワする愉しみ。

とは言ってもやたらに人が集まって酔客が騒がしい「桜の名所」は嫌いだし、ましてやその「名所の桜」を撮影するためにワザワザ遠出をするなどもってのほか。

せいぜい電車で30分以内にあるごく近場の桜をユックリ愛でるのが好みで、実は一番好きなのは近所の小さな公園に植えられている一本桜だったりします。

天気のいい日にその桜の木の下に設(しつら)えられているベンチに腰掛けて、気まぐれに持ち出した蔵書をつらつら眺めている時などもう至福のひととき。

ひっそりとして具合の良い一本桜を上手く見付けると、まるで咲き始めから葉桜になるまで全てを独り占めしている様な心持ちになる事もあって、そうなると「ホントに桜を堪能した」という気分を味わえたりするのですよねぇ。

個人的には桜並木は通りすがりか若しくは遠くから眺めるもので、袂(たもと)に寄って幹に触れたり低い枝を手許に引き寄せてみたりしてジックリ眺めるのは一本から数本までの群生に限ると思っています。

そうして桜の下(もと)で紐解く本の中に、今年はこれを入れておく事に致しましょう・・・というか、まるでそのためにある様な味わい深い一冊なのです。

山田孝雄著/山田忠雄校訳による『櫻史』(講談社学術文庫

桜史 (講談社学術文庫)

桜史 (講談社学術文庫)