蒼風閑語

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フーリエ変換

先月20日に発刊された竹内淳氏の『高校数学でわかるフーリエ変換フーリエ級数からラプラス変換まで』(講談社ブルーバックス)を読了しました。

同氏による他の『高校数学で~』シリーズと同様、あるひとつの定理や方程式について、その時代背景から発見のプロセスに至るまでを巧みに織り込みながら本当に判り易く解説した、まさに“期待通りの”と言ってよい一冊でした。

三角関数を振り出しにフーリエ級数へ、複素関数を紐解きながらフーリエ変換へ、関数論の初歩に踏み込みながら応用例を解説し、最後の2章を使ってはラプラス変換及び演算子法の世界にまで足を伸ばしています。

最終章に置かれた第7章でマルコーニ、ケネリー、へヴィサイド、アップルトンらによる電離層の発見に話が進むところでは、迷い込んだ裏道をグルグル走り回っていたら突然見慣れた大通りに出て、「あ、ここに繋がるんだ~」と独りごちる様な気分も味わう事が出来たり。

ちなみに数学の方面だと、L.インフェルト著/市井三郎訳の『ガロアの生涯―神々の愛でし人』(日本評論社)を久々に読み返してみたくなった事を、“読後の効用”として申し添えておきましょう。

高校数学でわかるフーリエ変換―フーリエ級数からラプラス変換まで (ブルーバックス)

高校数学でわかるフーリエ変換―フーリエ級数からラプラス変換まで (ブルーバックス)