蒼風閑語

ll_bluewind_llのひねもすのたりのたり

元旦の星空

あけましておめでとうございます。

では大晦日の昨日に引き続き、元旦の今日も一編の詩を御紹介しておく事にしましょう。このところすっかり魅了されてしまっている米国の詩人、ロバート・フロストの作品です。

暖かくしてごゆっくりお愉しみ下さい。

   「星たち」 ( "Stars" )

 “木枯らしの吹くころ 風に吹き流され

 木立の背丈ほどの高さに積もって さまざまな形を作っている

 この ざわめく 雪原の上空には

 なんと 数えきれぬほどに 星たちが 集まっているではないか”

 “白い休息の地 日暮れとともに 見えなくなる

 あの休息の地に向かって よろめきながらも わずかずつ

 踏み進んでゆくこの足どりには まるで

 僕たちの運命に対する 試練がつきまとっているかのようだ”

 “しかも 雪のように白い

 あのミネルヴァの 視力のない

 真白な大理石の目に どこか似ている あの星たちには

 愛も 憎しみも まるで ありはしないかのようだ”

(藤本雅樹訳『少年の心』(国文社)より抜粋)

ちなみに第3連2行目の「ミネルヴァ (Minerva)」というのは、ローマ神話に出てくる“美と知をつかさどる女神”で、ギリシャ神話でいう「アテネ」に相当するのだそうです。

・・・さあ、今夜は本当にキレイな星空。本年も宜しくお願い致します。