ギターの魂
言ったところで詮無い事ですが、暑いですねぇ・・。
決してギラギラと容赦なく夏の陽射しが照り付けているという訳ではないのに、このサウナの中に閉じ込められた様なムシムシ感は、真綿で首を絞められるが如くジワジワと体に効いて来る感じです。
「ギラギラ」「ムシムシ」「ジワジワ」といった言葉を並べてみただけで暑苦しさ倍増!という気がしますが、多少なりとも暑気払いにと冷奴を傍らにビールのグラスを傾けつつBGMにはギターのソロ演奏を。
そう、こんな夜にはガレアーノの『火の記憶』(みすず書房)から何篇かを拾い読みながら、灼熱の中南米を思い浮かべてこんな作品集に耳を傾けてみるのです。
・ John Williams : "Spirit of the Guitar - Music of the Americas"
アルゼンチン、チリ、パラグアイ、ベネズエラ、ブラジル、メキシコ・・・といったラテン・アメリカの作曲家によるギター作品を、その道の第一人者たるギタリスト John Williams が情感豊かに謳い上げた名作。
そのプレイは曲の隅々に至るまで「熱さ」を感じさせるものなのに、圧倒的なテクニックに裏打ちされた流麗な演奏から受ける印象はどこまでも「涼やか」。
クラシック・ギターから紡ぎ出される“情熱と哀愁の響き”に、ひととき暑さを忘れる心持ちがしたのでした。