蒼風閑語

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デジタル・ワビサビのすすめ

たくきよしみつ氏の近刊『デジタル・ワビサビのすすめ ― 「大人の文化」を取り戻せ』(講談社現代新書)を読了しました。

この4月に刊行されたばかりの新著なのですが、同氏2011年の著作『使い分けるパソコン術』(講談社ブルーバックス)などにあった考え方や姿勢を更にもう一歩推し進めた・・・とも言えそうな内容でした。

全体は6つの章から成っており、内訳は第1章「SNSの光と闇」、第2章「個人情報筒抜け時代を生き抜く」、第3章「XPでも大丈夫!?」、第4章「スマホがなくても大丈夫」、第5章「デジタル・ワビサビへの道」、第6章「大人の文化を取り戻す」という流れ。

更に大きく第1章〜第4章までが、現在巷に溢れ返っているデジタル・ツールについての著者ならではの視点による評価とそれに基づいた対応案、第5章と第6章がタイトルにもなっている「デジタル・ワビサビ」的思考の実践案となっています。

この「デジタル・ワビサビ」というネーミングがちょっとアレかなぁという気もするのですが、要はメーカーが次々と発信する情報の渦に振り回されるのではなく、自分に必要なものを見極めて不要なものは切り捨てて行きましょう・・・という実に真っ当な提言です。

実際読み始めると「いやもうホントその通り!」という記述ばかりなのですけれども、日常的に様々なデジタル機器に囲まれた生活をしていると、本来「当たり前」だった事がいつの間にか「言われないと気が付かない」事になってしまっているのですね。

スマホという単なる道具に起きている間ずっと目と耳と手の機能を奪われ続け、ついでに個人情報というプライヴァシーまで根こそぎ盗み取られる・・・そんな事態を避けるためにはユーザーが最低限の知識を付けて対策を取る事が「必要不可欠」になっているのでしょう。

もちろん最新デジタル技術の簡単な解説書として愉しむことも可能ですので、まずは書店で見掛けたら手に取ってみて下さいませ。

デジタル・ワビサビのすすめ 「大人の文化」を取り戻せ (講談社現代新書)