蒼風閑語

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地表に近い大気

10月末の「神保町ブックフェスティバル」で買い求めた“大気科学講座”の第1巻、竹内清秀・近藤純正の両氏による共著『地表に近い大気』(東京大学出版会)を読了しました。

5~6年前に第3巻の松野太郎・島崎達夫『成層圏と中間圏の大気』と第4巻の岸保勘三郎田中正之・時岡達志『大気の大循環』という2冊、2~3年前には第2巻の浅井冨雄・武田喬男・木村龍治『雲や降水を伴う大気』と読み継いで、今回ようやく全巻を読み終える事が出来ました。

このシリーズはどの巻を取っても難しくて読み進めるのに難渋するのですが、そのぶん類書では読めない貴重なトピックが取り上げられており、長く参照に値するその“内容の濃さ”こそが特徴となっている様な気がします。

本文だけだと200ページにも満たない小冊ながら、目の詰まった筆致は文字通り「リファレンス」といった風情。加えて巻末に附録として添えられていた「乱流理論の概要」についても、読み応えのある充実の内容でした。

それにしても今回はたまたま4巻だったのですが凡そ巻数の多寡に拘わらず、“講座の全巻を読破する”という行為には独特の「爽快感」みたいなものがありますねぇ・・・。