蒼風閑語

ll_bluewind_llのひねもすのたりのたり

今宵全てのフロストを

残り100ページあまりになってからは出来るだけゆっくり読んでいた Robert Frost の "The Collected Poems" (Vintage Classics) を、とうとう最後まで読み終えてしまいました。

それにしてもあの、好きな作家の全集やシリーズを「読み終えてしまった」時の嬉しさと寂しさがない混ぜになった感じは、何度経験しても独特な感興があります。

作家とその作品が好きであればある程、より「寂しさ」の方が強く感じられてしまうのは致し方の無いところですけれども、やはり相応の達成感を伴う特別な読書体験である事は間違いの無いところ。

まぁ詩歌の類は一度通読して終わりというものではなく、繰り返し味わい何度も咀嚼し直すものなので、「読了」というよりもむしろ「目を通し終えた」と言った方が適切なのかも知れませんね。

さて、本書には成書となった全ての作品集がほぼ刊行順に収録されていました。順を追って各々のタイトルを列挙しておくと、"A Boy's Will" (1913)、"North of Boston" (1914)、"Mountain Interval" (1916)、"New Hampshire" (1923)、"West-Running Brook" (1928)、"A Further Range" (1936)、"A Witness Tree" (1942)、"Steeple Bush" (1947)、"In the Clearing" (1962)、"A Masque of Reason" (1945)、"A Masque of Mercy" (1947) となります。

この全集を通読した事で、好みの作品が "Mountain Interval" と "New Hampshire" に多く含まれているのが判明したのは得難い収穫でした。こればかりは選集を読んでいるだけでは判然としませんものね。

これからはより自由にランダムに個別の作品と付き合って行けたらいいな・・・などと考えていた師走の夜だったのでした。

The Collected Poems

The Collected Poems