蒼風閑語

ll_bluewind_llのひねもすのたりのたり

稲・麦・薄と「芒」

例えば「光芒(こうぼう)」といえば一条の光がサッと射し込んだ時、その光線の穂先を指して言います。

又「星芒(せいぼう)」といえば、それはまさに夜空の星が輝いたり煌(きら)めいたりする様を指します。

更に「芒麦(ぼうばく)」といえば穂先や実の尖った大麦の事であり「芒茅(ぼうぼう)」と来れば先端の尖った茅(かや)、所謂「ちがや」を指すそうです。

昨日6月6日は二十四節気の一つ「芒種(ぼうしゅ)」でした。『国語大辞典 第二版』(学習研究社)には“芒(のぎ)のある穀物、すなわち稲を植えるときの意”とあり、「芒」とは“イネ科植物の果実の先についている、とげ状のもの”であると記されていました。

又一方で「すすき」を漢字では「薄」とも「芒」とも書く場合があるとの事で、この辺りはなかなか一筋縄では行かない日本語の難しさをよく表わしていると言えるのかも知れません。