蒼風閑語

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量子力学Ⅱ

ここではすっかりお馴染みとなっている“岩波講座現代物理学の基礎”ですが、第4巻の『量子力学Ⅱ』をようやく読了しました。

シリーズ第1、2巻『古典物理学』の時もそうだったのですが、これまでに類書を幾らかでも読んだ事があって“判るところと判らないところが混在”している状態の時が、読み進めるのに最も時間が掛かっています。

多少なりとも知っていると感じる部分があれば、そこはやっぱり立ち止まってあれこれ考えてしまいますから当然といえば当然なのですが、全く未知の分野について書かれた本をザクザクと読み下して行くのとは別種の愉しさであり、またそれが故のもどかしさでもあり・・・といったところでしょうか。

本書には講座所収の『量子力学』全3巻全7部の内、第3部“模型と構造”及び第4部“状態の遷移”が収められていました。では今回も取り敢えず全体の構成をお知らせしておく事にしましょう。

まず第3部は第9章「対象性と力学系の構造」から、第10章「近似的に独立な自由度とその結合―原子・分子」を経て、第11章「Dirac粒子の構造と素粒子の非点模型」へと。続く第4部は第12章と13章に渡って「散乱理論」を詳述し、第14章の「衝突過程」を経由して第15章「散乱振幅の解析的性質」まで、という流れ。

さて、いよいよ最終巻となる『量子力学Ⅲ』第5部“量子力学の構造”は、江沢洋氏の筆による第16章「状態と力学変数」から始まります。秋の夜長に頭を悩ませるには打って付けの一冊となりますかどうか・・・。

(下の画像は後に改訂された『Ⅱ』と『Ⅲ』の合本)

量子力学 II (新装版 現代物理学の基礎 第4巻)

量子力学 II (新装版 現代物理学の基礎 第4巻)