弐拾四萬のコトダマ
今日の朝刊の社会面に、来春に発売されるという新村出の『広辞苑 第6版』(岩波書店)に収録予定となっている「新語」に関する話題が取り上げられていました。
今回見出し語に「新語」として加えられたのは約1万語で、その内の約4割を所謂「カタカナ語」が占めているのだそうです。今回の改訂により収録される総語数は過去最大の24万語に増えるのだとか。
「ニート」「顔文字」「メタボリック症候群」や「癒し系」等に代表される“イマドキ言葉”に加えて、記録のために補充されたという「赤バット・青バット」「ウルトラマン」「おしん」等の“昭和言葉”、それに富山の「きときと」や沖縄の「めんそーれ」といった“お国言葉”も適宜追加されている模様。
こと辞書については「語彙数が多ければ良い」というものでもありませんが、それにしても24万語というのは圧倒的な物量です。ちなみに我が愛用の『国語大辞典 第二版』(学習研究社)は、『広辞苑』に引けを取らない厚さにも拘らず、総語数は何と半分にも満たない約10万2千語。
無論各辞書の編集方針や使い勝手にはそれぞれ独自の工夫が凝らされていて、それが又各々の内容に個性を加える事にも繋がっている訳ですが、昨年の『大辞林』(三省堂)に続く“大御所”の改訂は、全ての本好き(≒辞書好き)にとって心動かされるニュースではあります。