蒼風閑語

ll_bluewind_llのひねもすのたりのたり

待てば海路の・・・

それにしても一旦弾みが付くと季節が進むのはあっという間の様で、明日は二十四節気の一つ「小雪」。ここ数日の間には各地から初雪の便りも届き、実際のお天気と節気の字面(づら)がシックリと馴染んでいる感じです。

そんな週末の夕方・・・と言っても既に夜の帳(とばり)は下り切っていましたが、冬の装いに身を包んだ人々で賑わう神保町の古書店街を歩きました。

明日からの三連休に合わせてか、新しい本を補充して棚の模様替えをしているお店もチラホラ。こんな日は意外と“掘り出し物”に出逢えたりする事が多いものです。

・・・などと思っていたらあるお店で、つい2ヶ月程前に復刊されたばかりの“現代数学系譜”シリーズ(共立出版)が何冊か出ているのを見つけました。

しばらくの間あれやこれやと手に取ってみて、以前からずっと読みたかった『リーマン幾何とその応用』を買い求めておく事にしました。微分幾何と相対論が御専門の矢野健太郎氏が翻訳と解説の執筆をなさっている「名著」の呼び声も高い一冊です。

そのまま近くのコーヒー・ショップに腰を落ち着けて、巻頭に置かれたリーマン自身の短い論文「幾何学の基礎をなす仮定について」に目を通す事暫(しば)し。まさに「これぞ至福」と言うべき時間を愉しんだのでした。

リーマン幾何とその応用 (現代数学の系譜 10)

リーマン幾何とその応用 (現代数学の系譜 10)