蒼風閑語

ll_bluewind_llのひねもすのたりのたり

姫からの写メール

今日の朝刊各紙でトップページを飾っていた月探査機「かぐや」からの地球のハイビジョン画像は、思わず息を呑むほどの美しさでした。

添えられていた記事によると、地球と月の距離の約3分の1となる凡そ11万kmの地点で撮影されたものだそうで、この距離からのハイビジョンカメラによる撮影は史上初の事になるのだとか。

それにしても、スペースシャトル国際宇宙ステーションからの映像が「たかだか」高度340km程度に過ぎない事を考えると、今回の画像がいかに“破格のロング・ショット”であるかがよく判ります。

では、十五夜より4日遅れの先月29日に撮られたという地球の姿から遥かなる月へと思いを巡らせつつ、『竹取物語』所収「かぐや姫衝撃の告白シーン!」を味わってみる事にしましょう。

「おのが身は、この国の人にもあらず、月の都の人なり。それを、昔の契りありけるによりなん、この世界にはまうで来たりける。いまは、帰るべきになりにければ、この月の十五日に、かのもとの国より、迎えに人々まうで来んず。」

(私はこの世界のものではなく、実は月の都の住人なのです。それが前世の何らかの宿縁によって、この世界にやって来たのです。しかし今、帰るべき時が訪れて、十五夜には故郷である月からお迎えがやって来ようとしています。)