蒼風閑語

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楽しいから好きだから

実は、この方と漫画家・西原理恵子氏が書かれた『いやでも楽しめる算数』(講談社)は今でも大好きな本の一つです。

今日の朝刊のオピニオン面“私の視点ワイド”に、作家・清水義範氏の「勉強本ブーム 効率追究もいいけれど・・・」と題したコラム風の論評が掲載されており、とても面白く読みました。

昨今ブームとなっている「勉強法指南書」の類いは“効率の良さ”を強調した内容のものが目立つけれども、“真の知性・教養”を身に付けるにはそれはちょっと違うんじゃないか・・・というのが大まかな主旨でした。

清水氏は文中で「教養とは、好きなことを夢中でやっていたら自然に身についてしまった力、のことである。」とした上で、次の様に続けています。

楽しいから、それが好きだから、遊びとしてする勉強にも目を向けてほしいと私は思う。そういう勉強ならば、していること自体がお楽しみなのだから、効率なんて求めるはずがないのである。なるべくゆっくり、全部知りつくしたい、と思うくらいのものだ。

面白い本を終わりが近づくにつれてワザとゆっくり読んだり、巻末の参考文献から後続する書籍を選びながら興味の対象を広げ・深めて行く、といった読書の愉しみ方を既に知っている者としては、ウンウンそうだよねぇ・・・と肯いてばかりの一文だったのでした。

いやでも楽しめる算数 (講談社文庫)

いやでも楽しめる算数 (講談社文庫)