蒼風閑語

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解析力学

3ヶ月程前から出来るだけゆっくり読み進めていた江沢洋氏の近著『解析力学』(培風館)を読了しました。

高度な内容を判り易く丁寧に説き起こす語り口と懇切な解説を伴った良質な演習問題の数々は、同氏の『力学―高校生・大学生のために』(日本評論社)や『演習詳解 力学』(東京図書)等でもすっかりお馴染みのスタイルです。

全体は7つの章によって構成されており、あらましは1「極小原理」、2「変分法」、3「Hamiltonの原理」、4「Lagrangeの運動方程式」、5「Hamilton形式」、6「正準変換」、7「Hamilton - Jacobiの理論」という流れ。

どの章も興味深く難しく且つ面白いトピックに溢れているのですが、やはり大きな眼目の一つとなっているのは第7章で展開されている Hamilton - Jacobi方程式 の応用に関する記述でしょうか。

この章に於いてその傾向は特に顕著だったのですが、全体を通じて“本文と図版と演習問題とその解答”までの全てをジックリ吟味して初めて全体像が見えてくる・・・そんな風に書かれている1冊ではないかと思いました。

本書に続いてはいよいよ『高橋秀俊の物理学講義:物理学汎論』(丸善)に取り掛かろうと、今日はその「まえがき」と「序論」の部分にチラチラと目を通したりしていたのでした。

解析力学 (新物理学シリーズ)

解析力学 (新物理学シリーズ)

 
力学―高校生・大学生のために

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演習詳解 力学 第2版

演習詳解 力学 第2版