蒼風閑語

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小林・益川理論の証明

一昨日の当欄で書名だけ御紹介しておいた立花隆氏の『小林・益川理論の証明』(朝日新聞出版)、少しだけ読み残していた終章の後半部分を最後まで読み上げて本日読了しました。

全体は大きく3部に分かれており、まず第1部が「小林・益川理論ノーベル賞受賞から何を学ぶべきか」と題された、当該理論の意味するところと、それを証明すべく繰り広げられた壮大な実験についての“大まかな概説”を試みた部分。

続く第2部は、かつて朝日新聞社から発刊されていた科学雑誌『サイアス』(旧『科学朝日』)の2000年4月号~12月号に連載されていたルポ「消えた反粒子の謎に迫る」を再録したもので、ここで巨大な実験施設“Bファクトリー”の全貌が明らかにされます。

そして第3部が、「小林・益川理論を証明せよ!」と題された高エネルギー加速器研究所から4名の関係者をゲストに迎えての対談で、このパートが第2部取材の時点から現在までの状況の進展及び変遷をフォローする「補遺」もしくは「現状報告」に該当する部分となっていました。

本当に読み易く且つ面白く書かれた一般向け書籍なので是非実際に手に取り目を通して頂きたいのですが、何故(なにゆえ)小林・益川理論ノーベル賞に値するとされまた受賞に至る事が出来たのか、その理由がキチンと判る様に書かれた稀有な一冊であると思います。

立花隆 小林・益川理論の証明 陰の主役Bファクトリーの腕力

立花隆 小林・益川理論の証明 陰の主役Bファクトリーの腕力