蒼風閑語

ll_bluewind_llのひねもすのたりのたり

残暑

恐らくは多くの方にとって“お盆休み最後の日”であった今日、東京地方は本当に気持ちの良い好天に恵まれました。

朝目が覚めると開けっ放しの窓からは涼しい風。薄いカーテンが時折ユラユラとはためいて、戸外の街路樹もタップリとした青葉をサワサワと揺らしています。

明らかに昨日とは空気感が違うなぁ・・・と部屋の温湿度計に目を遣ると、湿度計の針が指し示しているのは30%台の半ば辺り。

我が家の温湿度計では、時計でいうところの“6時の位置”がちょうど「湿度40%」にあたっているのですが、湿度計の針が“文字盤の右半分”にあるのを目にするのは何だか久しぶりの様な気がします。

午後多摩川へと散歩に出てみれば、空には刷毛で一掃き二掃きした様な「巻雲」が浮かび、所々にはウロコ状に見える「巻積雲」も。陽射しがもう少し優しければ、空気感といい雲の状態といい殆ど“秋の空”みたいです。

あまり人気(ひとけ)のない河川敷のベンチに腰掛け、携(たずさ)えて行った野上彌生子の『欧米の旅』を開いてしばし熟読。長編の『秀吉と利休』を読み始めてから「こういう文章を書く人の紀行文や随筆は絶対に面白いだろうな」と感じていましたが、まさに予想した通りの闊達な筆運び。

本を読んだハズなのに何故かすっかり日焼けまでしてしまった、“お盆休み最後の日曜”だったのでした。