蒼風閑語

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物理が苦手になる前に

今月初めにある古書店の均一棚で見つけた、竹内淳氏2001年の作『物理が苦手になる前に』(岩波ジュニア新書)を読了しました。

以前から図書館などでポロポロと拾い読みだけはしていたのですが、最初から最後までを通読するのは今回が初めて。

同氏の手によるベストセラー『高校数学でわかる~』シリーズ(講談社ブルーバックス)の明快な記述から予想はしていましたが、高校物理の力学的な部分についてとにかく徹底的に易しく且つ具体的な解説が為されていました。

慣性の法則」「速度と加速度」「力と質量」「仕事とエネルギー」「衝突」「万有引力」といったお馴染みのトピックについて、あくまでも身近な例に材を採りつつシンプルなイラストで直観的なイメージを喚起させて行きます。

そして本書で特に「ここは秀逸だ!」と思わずにいられなかったポイントのひとつとして明記しておきたいのが、「速度と加速度」の章に記されていた微積分についてのとても判り易い説明でしょうか。

微積分」と数学の言葉にすると何となくエラソーな感じだけど、微分とは結局のところ“引き算同士の割り算”だし積分とは“掛け算同士の足し算”に過ぎないのだという事を、シッカリ・ハッキリと書いてくれています。

こんな本を高校生の時に読んでいたらなぁ・・・などという本当にありきたりな感想を、何となく痛切に感じさせられてしまった一冊だったのでした。

物理が苦手になる前に (岩波ジュニア新書)

物理が苦手になる前に (岩波ジュニア新書)