蒼風閑語

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進化しすぎた脳

一頃には随分と話題になった科学系書籍のベストセラー、池谷祐二氏の『進化しすぎた脳』(講談社ブルーバックス)を読了しました。

朝日出版社からの旧版が新刊書店で平積みになっていた時も、その後現行の新書スタイルによる増補版が出た時も、「ベストセラーなら敢えて目を通す必要もないか」と“読みたいリスト”の中には入れてなかったのです。

それがしばらく前にとある古書店の均一棚で、何となく所在無さげに佇んでいるのを見掛けて手に取ったのが運の尽き。ひとたび読み始めるとそこはヤッパリ面白くて、何だかんだで一息に読み下してしまいました。

ニューヨークの学校に通う中高生達との対話形式というスタイルが功を奏してか、難解になりがちな脳科学についてとても具体的且つ理解し易い形でレクチャーする事に成功しています。

もちろん本書で“脳科学の全てを理解する”などもとより不可能な事ですが、「見る」ことや「言葉」や「心」や「記憶」そして「脳」そのものについて、興味を持ち改めて考え始めるキッカケとするには、この上無く好適な一冊ではないかと思います。

う~む、やはりベストセラーだからといって単純に「食わず嫌い」をしていると、こんな良い本を見落としてしまう事もあるのですねぇ・・・。

進化しすぎた脳―中高生と語る「大脳生理学」の最前線 (ブルーバックス)

進化しすぎた脳―中高生と語る「大脳生理学」の最前線 (ブルーバックス)