天気情報の見方
半年ばかり前に神保町の古書店で買い求めた、立平良三氏1987年の著作『天気情報の見方』(岩波新書)を読了しました。
気象庁で長く予報官を勤められたという立平氏が、執筆当時の予報業務の状況と気象データ解析のイロハについて、一般向けに平易な解説を試みた一冊です。
もちろん20年以上前に書かれたものなので情報の細部に現状とは異なる記述があるものの、解析手法の概略を手っ取り早く掴むには充分な内容となっていました。
中でも特に面白かったのは、第1章「予報当番の24時間」、第2章の「短時間予報から長期予報まで」、第5章「それでも「外れ」がある」、第6章「確率予報」あたりでしょうか。
第5章でスレット・スコア、第6章ではコスト・ロス・モデルのアウトラインに言及するなど結構踏み込んだ記述も見られ、気象情報の利用に際しての“少しばかり高度な見方”がとても判り易い解説が為されています。
気象学の入門書などに目を通す時、サブテキストとして座右にあると有用かつ便利な小冊ではないかと思います。