蒼風閑語

ll_bluewind_llのひねもすのたりのたり

サイクルスポーツ攻略法

今月の朔日に近所の古書店で買い求めていた、五十嵐高氏1988年の著作『サイクルスポーツ攻略法』(岩波ジュニア新書)を読了しました。

比較的状態の良い理工書と新書の品揃えが充実している馴染みのお店で、何となく店頭の均一台を眺めている時に目に飛び込んで来た一冊。

タイトルだけ見ると、まるで自転車レースの必勝法やトレーニング・メソッドについて書かれた実践書の様ですが、実際に紐解いてみると全く趣の異なる本でした。

コレは基本的に自転車についての物理学的・工学的、もっと言えば“力学的なアプローチによるマニア向け解説書”に他なりません。

第1章の「自転車のある風景」こそ導入部としてモノローグ風に書かれていますが、第2章の「なぜ自転車は走るのか」からは完全に“質点系の力学”の世界です。

以前から自転車についてこういった角度からの解説を試みた著作は無いものかと探していたので、いったん取り掛かると文字通り“貪(むさぼ)る様に”読み終えてしまいました。

他にも、新車購入の際の留意点とかカタログ・スペックの読み方、ショップの選び方まで事細かに記述してあり、自転車好きならいつまでも読んでいたくなること請け合いの一冊だと思います。

サイクルスポーツ攻略法 (岩波ジュニア新書)

サイクルスポーツ攻略法 (岩波ジュニア新書)