蒼風閑語

ll_bluewind_llのひねもすのたりのたり

新月の夜に

昨日は夕方少しばかり回り道をして、普段は滅多に行く事の無い原宿まで足を伸ばし、御招待に与(あずか)っていたコンサートに顔を出して来ました。

会場は表参道に面した洒落た外装のビルの中。小さな多目的ホールに50ばかり椅子を並べた、アットホームな雰囲気の中での催し。

会場内のバーでオーダーしたソフト・ドリンクを愉しみながら待つこと暫し。まず前半に登場したのはオーボエ奏者の藤井貴宏氏です。

全編ソロ演奏の演目は、テレマンの『12の幻想曲』より「「第2番」、ホリガーの『オーボエソナタ』から「カプリッチョ」、ブリテンの『6つの変容』より「パン」と「ナルキッソス」、シルベストリーニの『6つのエチュード』から「スペインの踊り」という、ある種“通好み”のプログラム。

滅多に聴けない珍しい曲を、これまた耳にする機会の多くないオーボエのソロ・プレイでジックリと堪能する事が出来たのは幸いでした。

短い休憩を間に挟んで後半に登場したのは、ピアノの柳準一氏とベースの金森もとい氏というお二人によるジャズのデュオです。

こちらは前半から一転して『いつか王子様が』、チャイコフスキー『花のワルツ』のジャズ・ヴァージョンに『マイ・フェイヴァリット・シングズ』という耳に馴染んだ有名曲をセレクト。

演奏の方も実に品良くセンス良くスタイリッシュにまとめられており、秀逸でした。このお二人が参加なさっている他のセッション活動の方にも、少しばかり興味の湧いて来るところです。

台風一過で気温がグッと下がって涼しい風が吹き始めた夜の街で、とても心地良い時間を過ごしたひと時だったのでした。