蒼風閑語

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南米作品との出逢い

今年のノーベル文学賞を受賞したマリオ・バルガス・リョサ(ジョサ)氏についての所感が、大江健三郎氏の連載コラム「定義集」(11月16日付朝日新聞朝刊)に掲載されており、それがとても面白かったので図書館でラテン・アメリカ文学の作品を眺めてみました。

ホセ・エルナンデスの『マルティン・フィエロ』をはじめとして、ホセ・マリア・アルゲダスの『深い川』、フアン・ルルフォの『ペドロ・パラモ』、ガルシア・マルケスの諸作品、そしてエドゥアルド・ガレアーノの『火の記憶』もちゃんと置いてあります。

平日の夜のことであまりゆっくりしている時間も無かったので、タイトルだけ見てピンと来た数冊を選び出して「まえがき」や「あとがき」だけを斜め読み。

あまり長過ぎずシンプルかつ面白いお話であれば、ついでに原書も手に入れてスペイン語学習のテキストにしてみましょう・・・という腹づもりだったのですが、パラパラと捲ってみただけでもかなりアクの強そうな作品が目白押しです。

暫くの間ためつすがめつしたものの、読むべき一冊をその場では決めかね結局手ぶらで図書館を後にしたその帰り路、とある古書店の均一台につい先程まで手にしていた一冊『ペドロ・パラモ』(岩波文庫)を見つけました。

・・・うん、まさにこれこそが「出逢い」というもの。迷わず購入し小さなラテン・アメリカを鞄に入れて、帰りの電車に乗り込んだのでした。

ペドロ・パラモ (岩波文庫)

ペドロ・パラモ (岩波文庫)