蒼風閑語

ll_bluewind_llのひねもすのたりのたり

水無月の休日

今日は雨が降ったり止んだりとグズつき気味の空の下、何となく久しぶりの様な気がする神保町を歩きました。

さすがにこの空模様だと店頭の均一台はカバーが掛けられているか店内に引っ込められているので、訪問軒数はそこそこに抑えてその分店内の品揃えをジックリ目に検分する事に。

まずは月イチフォローのバーゲンブック専門店を覘いて、昨日文庫で再刊されたばかりというノーバート・ウィーナーの『サイバネティックス』(岩波文庫)を手許に。

数年前にA5判のソフトカバー版を古書店で入手して既に読了済みなのですが、今回の文庫化に伴い翻訳者のお一人戸田巌氏による「文庫版あとがき」と、社会学者として知られる大澤真幸氏による15ページ程の解説が新たに加えられています。

こういった物理と数学の面白いところがギッシリ詰まった玩具箱の様な本は、出来るだけコンパクトなサイズのものを常時携帯して“暇があれば開く”というのが、もしかすると理想的な読み方なのかも知れません。

・・・と嘗て読んだ名作を再び手にして上機嫌で歩いていると、あるお店の新書コーナーで小山慶太氏1997年の著作『道楽科学者列伝』(中公新書)を発見。こちらは幾分軽めの科学史エッセイといった趣ですが、勢いで購入。

こういったライトな読み物風の一冊は目に付いた時にすぐ入手しておかないと、結構ダラダラと買いそびれ続けていつの間にか手に入り難くなる事が多いものです。

その後はこの2冊をカバンの中に携えて大学の図書館で閉館時刻まで。帰り路は傘も必要無い位の小雨になっていた「水無月の休日」でした。

ウィーナー サイバネティックス――動物と機械における制御と通信 (岩波文庫)

ウィーナー サイバネティックス――動物と機械における制御と通信 (岩波文庫)

 
道楽科学者列伝―近代西欧科学の原風景 (中公新書)

道楽科学者列伝―近代西欧科学の原風景 (中公新書)