蒼風閑語

ll_bluewind_llのひねもすのたりのたり

ヴィラ=ロボスの夜

旧暦9月13日「十三夜」の昨日は宵の口こそキレイな月が昇っていましたが、程無く結構シッカリとした雨降りになりました。

21時を回る頃には雨の方は上がったものの、月は雲の隙間から時折チラリチラリと垣間見える程度。早い時間にシッカリ眺めておいたので「片観月」にはならずに済みましたけれども。

そして今夜は明後日の満月を前に、より真円度を増したお月様が昇っています。「冴え冴え」とか「煌々」といった感じではなくやや輪郭のボンヤリとした朧月なのですが、これはこれでまた落ち着いた風情が感じられます。

こんな夜には逆に少しばかりキリッと締まった感じの“緊張感のある気持ち良さ”が快適・・・という訳で、部屋に流れているのはヴィラ=ロボスの弦楽四重奏曲です。

今我が家にあるのは Quarteto Bessler-Reis というグループによる演奏で、第12・13・14番が収録されているCDなのですが、これが月夜の晩に耳を傾けるにはピッタリの何ともクールな音楽。

誤解を恐れず敢えて俗っぽい表現を使ってしまうならば、“知的でワイルドでセクシー”といったところでしょうか。

音の運びは整然として理知的に聞こえるのに、随所に「力技」とも呼べる様なテクニックの応酬が盛り込まれ、しかも出て来るメロディは何とも艶っぽい。

ただただカッコイイ・・・としか言い様のない音楽。秋の夜長に月を眺めながら愉しむには打って付けだと思います。