蒼風閑語

ll_bluewind_llのひねもすのたりのたり

卯月のオペラ

今日は雨の土曜日。風も強いし気温も昨日より10℃近くも低くて、真冬の格好じゃないと凍えてしまいそうな空気でした。

こんな日は特別用事が無いのならウチにいてゆっくりするのが一番と、久しぶりに音楽とコーヒーのための一日とする事にしました。

最近のお気に入りキーワードである「モーツァルト」「オペラ」「ベーム」に合致するディスクをCD・LP棚に目を走らせてアレコレと物色。

この間ベルリン・ドイツ・オペラ管弦楽団による『フィガロの結婚』を堪能したので、今日は同じグラモフォンへの録音からベルリン・フィルによる『魔笛』の全曲盤を選んでみました。

ヴンダーリヒのタミーノ、ディースカウのパパゲーノ、クラスのザラストロ、ホッターの弁士・・・といったあまりにも豪華な男声陣に注目の集まる作品なのですが、じゃあ女声陣のレベルが低いのかというと全くそんな事はなくこちらもまた第一級の布陣。

当然ながらベームベルリン・フィルによる管弦楽もまさに「盤石」の構えで、文字通りどこからどこまで総てにおいて隙というものがありません。

かといってやたらにテンションの高さばかりが目立つ堅苦しい演奏かといえば、聞こえてくるサウンドは重厚なのに実にしなやかさのある全く聴き疲れのしない優雅さを伴ったもの。

個人的にはショルティ指揮ウィーン・フィルによる1969年のデッカ盤に比肩する歴史的録音ではないかと思っています。「双璧」ですね。

魔笛』全曲を愉しんだ後は併録されている『劇場支配人』まで堪能して何とも充実した3時間。まるで週末を狙い撃ちして来る様な低気圧のおかげで、すっかりオペラづいている卯月の休日です。

モーツァルト:魔笛 全曲

モーツァルト:魔笛 全曲