蒼風閑語

ll_bluewind_llのひねもすのたりのたり

チェリビダッケと数理科学

ムシムシと暑さ厳しい中、今日も元気良く神保町を歩いていました。

さすがにこう暑いとこの街に来る人の数も少なくなるのかと思いきや全然そんな事は無く、むしろ涼しい店内はいつもより混雑している位です。そのぶん店頭の均一台はやや閑散としていたのですが・・・。

さて今日の掘り出し物は、とある顔馴染みの一軒で音楽書のコーナーを眺めていた時のこと。あまり分厚くないハードカバーの背表紙に目が吸い寄せられました。

細身の背表紙にクッキリとした黒枠が引かれ、中には赤の角ゴシックで「チェリビダッケ」、続いて黒の明朝体で「音楽の現象学」と。

指揮者のセルジュ・チェリビダッケが1985年6月25日にミュンヘン大学で行った講演を、石原良成氏と鬼頭容子さんが共訳なさった一冊『チェリビダッケ 音楽の現象学』(アルファベータ)です。

しばらく前までは新刊書店でも普通に見掛けていたのですが、いつの間にやら品切れに。私も今日ここで再会するまではすっかり失念していました。

手に取ってみれば幸いな事にコンディションも良好。これぞ「縁」というものでしょう、迷うこと無くほぼ即決で持ち帰る運びとなった次第。

あとは理工書専門店で「別冊・数理科学」(サイエンス社)のバック・ナンバーから1998年刊行の『現代の数理物理』を見付けたので追加。荒木不二洋・俣野博・高橋陽一郎・大貫義郎・江沢洋・大森英樹ら豪華な執筆陣が魅力です。

音楽の本と物理の本。今日偶然にも出逢う事の出来た2冊の書籍を携えて、お気に入りのコーヒー・ショップで涼を求めていた文月の昼下がりだったのでした。

チェリビダッケ 音楽の現象学―28のオーケストラとのコンサート記録付

チェリビダッケ 音楽の現象学―28のオーケストラとのコンサート記録付