第14回南極歴史講話会
昨日、神田駿河台の日本大学理工学部1号館で開催された「第14回南極歴史講話会」に出席して来ました。
3月の第12回、6月の第13回に続いて3度目となる参加だったのですが、今回も非常に興味深いお話を聞く事が出来ました。
全体は大きく2部構成となっており、第1部は “南極観測技術の歴史シリーズ Ⅱ” と題して第14次越冬隊の島野邦雄氏による「ペンシルロケットから南極オーロラロケット」、11次と14次越冬隊の芦田成生氏の「南極ロケットの打ち上げ計画」、そして14次越冬隊の梶川征毅氏による「ロケット観測とは」という3題。
それぞれのお題で南極におけるロケット観測の歴史、実際に行われた観測計画の沿革、それに観測技術のアウトラインが概観出来る仕組みとなっていました。
ロケット工学やセンシング技術の専門用語などについてはやや難解な部分もあったのですけれども、適宜織り込まれる悲喜こもごものエピソードやちょっとしたウラ話などが当事者にしか知り得ないものばかりで面白い。
そして続く第2部は “南極先端研究シリーズ Ⅱ”と題された、第19次越冬隊の伊藤朋之氏による「南極のオゾンとエアロゾルの話」。
実は今少しずつ読み進めている、“南極の科学” 第3巻『気象』(古今書院)の第7章「対流圏エーロゾル」で筆を執られているのがこの伊藤氏という事もあって、個人的には今回のハイライトだったのです。
従ってこちらはもう期待通りというか期待以上というか、気象学のプロ中のプロが語る極地気象の話なのですからどうしたって面白くならない訳がありません。
熱のこもった講義は予定時間を大幅にオーバーして続けられましたが、質量共に満足度の高いレクチャーで思わず時間が経つのを忘れてしまった程でした。
先日のシンポジウムといいこの講話会といい、各種メディアで少し注意深く情報を集めてみれば、無料で学ぶ事の出来る機会というのは思っているよりずっと沢山あるのですね。