蒼風閑語

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創造者

ホルヘ・ルイス・ボルヘス著/鼓直(つづみ・ただし)氏の訳による『創造者』(岩波文庫)を読了しました。 1960年に刊行されたボルヘス2番目の詩集の日本語版で、作者自身による自己評価の最も高い作品としても知られています。 50の作品からなる本…

神保町の記事 3

今回が第3回目となる『朝日新聞』朝刊第2東京面の連載記事「神保町:本の街」。 ここへ来て採り上げられていたのは「ビニール本」。ある程度以上年齢を重ねられた方なら、風化した記憶の中に思い出の一つ二つは残っているのではないでしょうか。 ビニ本は…

ジャンプ

1991年のノーベル文学賞受賞者であるナディン・ゴーディマ著/柳沢由実子訳による『ジャンプ』(岩波文庫)を読了しました。 表紙に記載されているリード文によると、 多くの作家や詩人が国外に亡命したり獄中死などの悲惨な最期を遂げるなか、南アフリ…

神保町の記事 2

昨日(4月9日)付『朝日新聞』第2東京面には、特集記事「神保町:本の街」の連載第2回が掲載されていました。 いや相変わらず面白い。今回の書き出しはこんな感じです。 「せどり」 古書店や古書市で埋もれた高額本を見つけ、転売することだ。背表紙をみ…

ホールド・オン

今日の東京、日中の最高気温は7.2℃、最低気温は2.4℃・・・「春は名のみの」と唱えるのも馬鹿馬鹿しくなる位の寒さでした。 こんな日は春を思わせる優しいメロディと軽快なリズムでひとときの現実逃避を! "Hold On" Deep down in the dead of the nigh…

定番デジタル

ネットの海をあちらこちらと漂っている時に、ふと目についた昔懐かしいデザインのデジタル腕時計。 高校入学を前に初めての腕時計を買って貰った時、仔細に眺めたカシオのカタログに載っていたのと同様のデザイン・イメージを持つモデルが、いくつか掲載され…

コルタサル短篇集

木村榮一氏の訳による『コルタサル短篇集:悪魔の涎・追い求める男』(岩波文庫)を読了しました。 何と言うべきなのでしょう・・・とてつもなく面白いものを読んだという感触だけが強く残っているのですけれども、さてこの面白さをどう説明すれば良いものか…

神保町の記事

今日(4月2日)付の『朝日新聞』朝刊の第2東京面に掲載されていた、神保町を紹介する連載記事の第1回。 内容は当然の事ながら面白くて、隅々までジックリと読み込んでしまいました。何しろ記事の書き出しから極めて秀逸です。ちょっと引用してみましょう…

弥生の晦日

日中はTシャツ1枚で歩く人を見掛ける度に「それ正解!」とつぶやいていた程、暖かいを通り越して “暑い” に近付いた「弥生の晦日」でした。 帰宅してシャワーを浴びヤレヤレと一息吐いてから、数日前に届けられていた『ナショナル・ジオグラフィック 日本版…

春撮り

うらうらと気持ちの良い日和だった昨日、東京駅で下車して内堀通りまでを歩きました。 陽射しの具合が強過ぎず弱過ぎず何ともいい按配で、もちろんそれに従って体感温度も暑過ぎず寒過ぎず・・・実に快適です。 気象庁からは今日早々と東京のソメイヨシノの…

桜と越天楽

帰宅途中に路傍の桜を眺めながら歩いていると、頭の中にボンヤリと浮かんで来たのは有名な「越天楽」のフレーズ。 出典が同じなのでいつの間にか脳内再生は今様の「黒田節」に変わってしまい、帰宅するまでずっと「♪酒は呑め呑め」が頭の中でグルグル。 こう…

ウィズ・ザ・ビートルズ

花冷えと呼ぶにはちょっと度が過ぎる「寒の戻り」に肩を竦(すく)めながら、帰宅途中に馴染みの中古盤屋さんへ立ち寄りました。 月末が近いせいもあってか昨日今日と「全品10%オフ」のセールを実施中。訪れた時刻がだいぶん遅かったので、今夜はロックの…

東京も開花宣言

つい先日今年の桜前線がスタートしたと思っていたら、今日は東京でもソメイヨシノの開花宣言が発表されました。 ようやく春も本番なのだなぁと思い、今年はどこの桜を写真に収めようかと考え、見頃はいつかしらん・・・とソワソワする愉しみ。 とは言っても…

「春分の日」の出逢い

「春分の日」の今日はいつもの様に神保町の古書店街をブラブラと。 ようやくロング・コートから解放されてジーンズに厚めのジャケット、念の為にマフラーだけひと巻きして・・・という軽装なので、俄然足取りも軽くなります。 こういう良い日和だと店内に入…

闇を讃えて

ホルヘ・ルイス・ボルヘス著/斎藤幸男氏の訳による2006年の著作『闇を讃えて』(水声社)を読了しました。 巻末の「訳者あとがき」によると、“本書は初期詩集三部作の最後の作品『サン・マルティン・ノート』(一九二九年)から数えて四〇年後に刊行さ…

辞書を読む

千代田区の一橋大学一橋講堂で開催された “JPIC「辞書を読む」トークショー” という催しに出席してきました。 (JPIC というのは "Japan Publishing Industry Foundation for Culture" の頭文字で「一般財団法人出版文化産業振興財団」という組織の略称だそ…

アトラス

ホルヘ・ルイス・ボルヘス著/鼓宗氏の訳による2000年の著作『アトラス ― 迷宮のボルヘス』(現代思潮新社)を読了しました。 いや・・・ここは安直に “読み終えた” というよりも、むしろ “味わい終えた” とでも言った方が適切かも知れません。 先だって…

被災地を歩きながら考えたこと

はや4回目となる「あの日」を迎えて、五十嵐太郎氏2011年の著作『被災地を歩きながら考えたこと』(みすず書房)を読了しました。 東北大学で教鞭を執られている著者が被災地を歩き、建築工学の研究者としての視点で東日本大震災発生から半年間の推移と…

眼鏡の話 4

近所の眼鏡チェーン店で先週注文しておいた、自宅用の「近々用眼鏡」を受け取って来ました。 当日(8日)は雨が降ったり止んだりという生憎の空模様だったので、鞄の中に折畳み傘を入れて散歩がてらにブラブラと。 店舗に到着して来意を告げると、注文時に…

弥生の夜に

今日も例によって例の如く、神保町の古書店街を歩いていました。 とは言っても出て来る時間がずいぶん遅かったので、残念ながら古書店巡りはホンの小1時間ばかり。 それでも最後に立ち寄った1軒では、ホルヘ・ルイス・ボルヘス著/斎藤幸男氏の訳による『…

明日は「啓蟄・十六夜」

昨日今日はとにかく暖かくて、コート要らずの2日間でした。 日中は人と会う度ごとに、口を開けば「暖かいですねぇ」「いやもうホントに」といった会話が飛び交って何だか気分まではんなりと。 夕方になって陽が落ちるとさすがに少しばかり肌寒さを感じまし…

エル・アレフ

ホルヘ・ルイス・ボルヘス著/木村榮一氏の訳による2005年の著作『エル・アレフ』(平凡社ライブラリー)を読了しました。 全225ページの中に17のストーリーと小さな「結び」が収められた短篇集なのですが、ボルヘスの持つ独特なテイストがギュギュ…

眼鏡の話 3

初めての眼鏡を購入してからちょうど1ヶ月になったところで、手元専用の「読書眼鏡」を新調する事にしました。 前回は日常の全般的な利便性を考慮して「遠近用」を作っておいたのですけれども、この1ヶ月間着用してみてやはり読書時の視界の狭さが気になっ…

如月の晦日

今月のカレンダーは日曜日に始まって土曜日に終わる「綺麗な長方形」だったのだなぁと改めて感じていた今日のこと。 午前中は取り敢えず洗濯機を回しておいてから、久々に朝刊をジックリと。溜まっていた衣類を2回に分けて洗い上げるのと、ひと通り紙面に目…

パソコンでKindle

Linux 環境になってから困っていたことの一つが、「適当な青空文庫リーダーがない」という問題でした。 以前より、明治から昭和初期にかけて発表された文学作品で「名作」と謳われているものが読みたくなった時は、青空文庫からダウンロードさせて貰う機会が…

確率論と私

伊藤清氏の『確率論と私』(岩波書店)を読了しました。 著者の没後2010年に編まれたエッセイ集で、シンプルなタイトル通り確率論にまつわるショート・ピースが20編。 「初出一覧」によると、『数学セミナー』(日本評論社)や『数理科学』(サイエン…

狂言記

昨日は例によって神保町の古書店街を歩いていました。 いつものルートで馴染みのお店をブラブラと訪ね歩いては、棚を眺め背表紙を読み気になったものがあれば書架から抜き取って開いてみる。 日によって、読みたい本や面白そうな本が続々と現れる時もあれば…

横切るヒトビト

昨日(2月19日)付『朝日新聞』朝刊オピニオン面の「声」欄に、“気になる 平気で人前横切る人” というタイトルの投書が掲載されていました。 駅の構内や商業施設など多くの人々が交錯する場所で、強引に目の前を横切る人がいて危険に思える、一呼吸置いて…

C言語の演習書

久しぶりにプログラムの勉強を再開したいなと思っていたら、近所の古書店で偶然C言語の演習書を見付けました。 以前1年間ほど掛けて集中的にこの言語を学習した時期があったのですが、一般知識としてのプログラミングの基礎に少しばかり慣れたところで中断…

新しいマグ・カップ

きのう所用があって隣街まで出掛けたついでに、駅ビルに隣接した商業施設内をブラブラしていました。 特別な用事があるでもなく気ままなウィンドウ・ショッピングのつもりで歩いていると、これまでに何度か立ち寄ったことのある中南米産の小物を扱っているお…