蒼風閑語

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辞書を読む

千代田区一橋大学一橋講堂で開催された “JPIC「辞書を読む」トークショー” という催しに出席してきました。

(JPIC というのは "Japan Publishing Industry Foundation for Culture" の頭文字で「一般財団法人出版文化産業振興財団」という組織の略称だそうです。)

登壇なさっていたのは作家の三浦しをんさん、コメディアンで作家のサンキュータツオ氏、三省堂取締役出版局長の瀧本多加志氏の3名。

2012年の作品『舟を編む』で本屋大賞を受賞した三浦さん、『学校では教えてくれない!国語辞典の遊び方』の著書があるサンキュー氏、それに名うての編集者でもある瀧本氏と、辞書を語るにはうってつけの人選とあって会場は満員の大賑わいでした。

・・・でも会場をひと通り見渡して、気になる点もチラホラ。

何故だか会場の前半分はテーブル付きの設営となっており、会場の広さとも相俟ってかなり余裕のあるセッティング。なのに今日出席を希望した全応募者の内3分の1程は抽選で落ちてしまったそうですから、何とも勿体ない話です。

関係者席はもちろん「テーブル付きスペース」最前列付近に確保されており、一般からの出席者は早い者順で空いているテーブル席へ、少し遅く会場に来てしまった人々は後方の「椅子だけスペース」でどうぞ・・・というやや変則的な席割システム。

しかも見るからに隣席との間に空間的余裕のありそうなテーブル席に比べ、椅子席はカラダを動かすと隣の人と肘が当たってしまう位ナローな環境。別に贅沢を言うつもりはありませんけれども・・・いやそれにしても狭い。

そんなこんなで、何だかなぁと少しばかり割り切れない気分のままで登壇者の面々を迎えるカタチになってしまった次第。思えばここで既にミソがついていたのかも知れませんねぇ。

1時間半を費やしたトークショーの内容には残念ながら殊更特筆すべきところはなく、既にどこかで見聞きした事のある様な “辞書にまつわるちょっとしたトリビア” をサンキュー氏の芸人らしい軽めの受け応えで面白く聞かせる、といった趣向に終始。

もちろんこういった催しに臨む場合の常として筆記用具はカバンの中にキチンと用意していたのですが、今日は結局使わずじまい。いや、周りには熱心にメモを取っておられる方だっていらっしゃいましたけれども・・・。

せっかく参加したのに個人的には「うーむ」という印象の残るイベントだったのですけれども、ロビーに設けられていた物販コーナーでは主催者推薦の国語辞典を手に取ってみられる方が大勢いらした様で、これは素直に喜ばしい出来事。

昔からの「単なる辞書好き」としては、今の辞書人気の高まり具合を改めて確認する事が出来たのが一番の収穫だったかな・・・という気がしているところです。