蒼風閑語

ll_bluewind_llのひねもすのたりのたり

第1次南極観測越冬隊

昨日の夜、吉祥寺の武蔵野公会堂で講演会がありました。

1956年、日本から初めて派遣された第1次南極観測隊の越冬隊で「犬係」を務められたという北村泰一氏と、第45次冬と51次夏の南極観測に同行という経験をお持ちの朝日新聞記者・中山由美さんによるトーク・イベントが催されていたのです。

入場無料のうえ日曜日の19時からという参加し易い時間帯だった事もあってか、300席あまりの会場はほぼ満員。到着した時は既に熱気が充満している感じでした。

まずは中山由美さんから簡単に南極への手引と観測の最前線の様子を手短に。さすがに各地で精力的に講演を行われているだけあって、30分という枠の中にキッチリとエッセンスを盛り込んでしまう構成は「見事」の一言です。

続いては北村氏が登壇なさっての講演「第1次南極観測越冬隊と犬たち」。膨大な資料の中から選りすぐった画像の数々をスクリーンに投影しながらのトークは、独特のユーモアとサービス精神に彩られた大変味わい深いものでした。

そして最後は第1次越冬隊の同窓生がお二人加わってのトーク・セッション。何しろかなり御高齢の方が複数集まってのことなのでややもするとお話がとっ散らかってしまいそうになるのですが、ここは司会の中山さんが上手く現場を取りまとめて下さった感じでしょうか。

公演終了後のロビーでは講演者による南極観測に関する著作も販売されており、こちらも大変盛況だった模様。

最後のトーク・セッションではややハラハラさせられる部分もありましたが、総じてとても面白くてタメになる得難い内容の講演会でした。やはり分野を問わず「パイオニア」の方々の言葉には、巧まずして滲み出る「重み」の様なものが感じられますね。