蒼風閑語

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鏡開き・蔵開き

カレンダーの行事欄を眺めると、今日1月11日は「鏡開き」「蔵開き」とあります。そういえば去年は古語辞典で「鏡開き」の語釈を調べて御紹介したのでした。

では今年は現代語としての語釈をお馴染み『国語大辞典 第二版』(学習研究社)から。

【かがみ‐びらき】 鏡開き

正月に飾った鏡もちを割り、雑煮・あずき汁などにして食べること。一月十一日あるいは二十日に行う。 〔参考〕「開き」は「割り」の忌みことば。

【くら‐びらき】 蔵開き

新年の吉日(多くは一月十一日)に、その年になって初めて蔵を開くこと。

そこはやはり古語辞典に比べるとかなりアッサリ目の記述なのですが、現在は「鏡開き」といえばスポーツや習い事などの初稽古、「蔵開き」といえば量販店の初売とか物流の初荷の入出庫などでも使われている様です。

【くら‐びらき】 蔵開き

新年の初めに吉日を選んで、その年初めて蔵を開き、家産の増殖を祝う行事。供え餅の鏡開きをし、雑煮にして祝う。この日商家では、年末に一旦蔵に収めておいた財貨を改めた。

一方こちらは『古語大辞典』(小学館)からの語釈ですが、百貨店やスーパーやコンビニ等が元日から営業しているのが“当り前”の昨今から見ると、11日に初めて倉庫を開いて旧年の荷物を検めている風景は些か“牧歌的”に映ります。

まぁ当時の人々にしてみれば、逆に正月まで休まず商売事に現(うつつ)を抜かす様な事こそ、信じられない程「野暮の極み」だったのかも知れませんね。