蒼風閑語

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構造・安定性・ゆらぎ

いつも利用している大学の図書館が漸(ようや)く通常の開館時間になったので、早速立ち寄って久しぶりの快適な読書環境を満喫する事にしました。

いつもの様に巨大な『物理学辞典 三訂版』(培風館)を傍らに据え置いて、最近古書店で手に入れたグランスドルフ/プリゴジン共著、松本元/竹山協三共訳の『構造・安定性・ゆらぎ』(みすず書房)に目を通します。

思えば3ヶ月程も前だったでしょうか、蔵本由紀氏が近著『非線形科学』(集英社新書)の中で本書との出会いを熱く語る件(くだり)を読んで以来、ずっと読んでみたい気分が持続していたのでした。

今日のところは第1部の第6章までおよそ70ページ程を読み進めたのですが、ほぼ期待していた通り典型的な“難しくて面白い”内容となっています。やや難解なコトバも頻出するのでページを繰る手も忙しく本書と辞典の間を行ったり来たり。

巻頭に収められた「日本語訳への序」の中で筆者らは、本書を“巨視的物理学の法則の枠組の中で理解しうる非平衡過程の解析に関するもの”であり、また“散逸構造の性質とその概念に関する入門書”でもあるとしています。300ページにも満たない本ですが、今後の展開が楽しみでワクワクしてしまいますねぇ。

構造・安定性・ゆらぎ―その熱力学的理論

構造・安定性・ゆらぎ―その熱力学的理論

 
物理学辞典

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