蒼風閑語

ll_bluewind_llのひねもすのたりのたり

春風と文庫本

朝窓を開けるとふわっと柔らかい空気が部屋の中に入り込んで、すっかり春本番の到来を感じさせる麗らかな陽気です。

午前中はチョコレートをお茶請(う)けに淹れたてのコーヒーを啜りながら、ゆっくりと新聞のページを捲ったりCDに耳を傾けたり。午後は心なしかいつもより少し華やいで見える神保町の街をブラブラ。

お馴染みの古書店を一通り覗いておいてから新刊書店に立寄って、今日のお目当てにしていた『力学・場の理論ランダウ=リフシッツ物理学小教程』(ちくま学芸文庫)と時枝誠記氏の『国語学原論 続篇』(岩波文庫)を購入。

物理学に国語学と全くジャンルは異なりますが、どちらも「よくぞ!」と喝采したくなる様な今回の文庫化です。特に前者は、全く再版する意志の無い出版社が版権だけを頑なに抱え込んでいた為、長く古書でしかお目に掛かれなくなっていたという曰く付きの名著。

時枝氏の著作については、数年前の『日本文法 口語篇・文語篇』(岩波全書)の復刊を皮切りとして昨年には『国語学原論』の正篇が上下二巻で文庫化されており、今回の刊行はそれらに続くもの。

既に評価の定まった「名作」をいつでも手軽に読めるヨロコビを噛み締めつつ、春風の吹く街を歩いた土曜日でした。

力学・場の理論―ランダウ=リフシッツ物理学小教程 (ちくま学芸文庫)

力学・場の理論―ランダウ=リフシッツ物理学小教程 (ちくま学芸文庫)

 
国語学原論 続篇 (岩波文庫)

国語学原論 続篇 (岩波文庫)

 
国語学原論〈上〉 (岩波文庫)

国語学原論〈上〉 (岩波文庫)

 
国語学原論 下 (岩波文庫)

国語学原論 下 (岩波文庫)