生物はなぜ進化するのか

先日この欄で御紹介したスティーヴン・ワインバーグ氏の『宇宙創生はじめの三分間』と並行して読み進めていた、米国の進化生物学者ジョージ・ウィリアムズ氏の著作『生物はなぜ進化するのか』（草思社）を読了しました。

抜群に面白かった『進化と人間行動』（東京大学出版会）に参考文献として取り上げられており、執筆者の御一人であった長谷川眞理子氏による翻訳ということもあって初手から大きな期待の下に読み始めました。

結果はもう全面的に期待通り！と言いたくなる判り易さと面白さ。読み易さの基となる文章の滑らかさは長谷川氏の訳業の巧みさに加えて、やはりその道の専門家による訳出である事が大きな要因となっているのかも知れません。

そういえば本書が収められたシリーズ“サイエンスマスターズ”には、イアン・スチュアート氏による『自然の中に隠された数学』も含まれているのですが、これも非常に奥深い内容を平易な言葉で書き下ろした一般向けの良書でした。

ちなみに本書（『生物は・・・』）を読んでいる間、理解のちょっとした助けにと折に触れ参照していたのは、やっぱり『ケイン生物学』（東京化学同人）に収録された数々のカラー図版であった事を付け加えておきましょう。

そうそう、この本の原題は "The Pony Fish's Glow" というのでした。それにしても "Pony Fish" って一体何なんだろ・・・。

生物はなぜ進化するのか (サイエンス・マスターズ)

The Pony Fish's Glow: And Other Clues To Plan And Purpose In Nature

進化と人間行動

自然の中に隠された数学 (サイエンス・マスターズ)

ケイン 生物学